[UPDATE] AWS Elemental MediaLiveで入力映像のサムネイル画像表示をサポートしました!
はじめに
清水です。本エントリでお届けするAWS Media Servicesアップデート情報はこちら!ブロードキャストグレードのライブ動画処理サービスであるAWS Elemental MediaLiveでChannelの入力に対するサムネイル画像の表示ができるようになりました。(2023/07/07付でAWS What's Newにポストされたアップデート情報となります。)
このサムネイル画像はMediaLiveへの入力がデコードされたあとに作成され、出力のエンコードが行われる前にアクセスができるとのことです。MediaLiveへの入力映像に問題が生じていないか、という点はこれまでネットワーク入力やフレームレートなどのMetricsで確認することで可能でした。今回新たに実際に入力している映像を視覚的に確認することができるようになり、モニタリングや問題発生時の診断が行いやすくなります。
本エントリでは、実際にMediaLiveに入力している映像のサムネイル画像を確認してみたのでまとめてみます。
MediaLiveの入力映像をサムネイル画像で確認してみた
それでは実際に今回のアップデート、入力映像のサムネイル画像表示について確認してみます。MediaLiveのリソースは Workflow wizardを使って作成しました。以下の内容です。
Workflowの作成が完了したら、MediaLive Channelの"Link to resource"の箇所からChannelリソースの詳細ページに遷移してみましょう。
おやっ!Previewの項目が増えていますね!
MediaLiveのChannel(もしくはWorkflow)をStartさせ、Streaming SoftwareからMediaLive Inputに映像を打ち上げてみます。Streaming SoftwareはOBS Studioを使用しました。
Preview部分にサムネイル画像が表示されていますね!
ドキュメント(Viewing thumbnails on the console - MediaLive)に記載があるとおり、このサムネイル画像は2秒間隔で更新されます。
割りと頻繁な更新ですよね。慌てながら連続して取得したスクショが以下です。2秒間隔が確認いただけるかと思います。
なお、今回はWorkflow wizardで作成したChannelを使用しました。デフォルト(特に設定を変更しない状態)で上記の通り、マネジメントコンソールでサムネイル画像を確認することができましたが、これを明示的に無効化することもできるようです。
ChannelのGeneral settingsに「Thumbnail Configuration」という設定項目がありますね。なお、デフォルトの状態は「Enable Thumbnail configuration」が無効な(チェックされていない)状態でした。
このマネジメントコンソールで確認できるサムネイル画像と、Streaming Software(OBS Studio)、そして配信時の遅延をそれぞれ確認してみましょう。配信される映像はWorkflow wizardで作成した「MediaPackage HLS endpoint」のCloudFront URLをMacのSafariで直接再生しました。
OBS Studioからサムネイル画像の遅延は5秒ほどとなりました。実際の(MediaPackageとCloudFrontを通した)配信の遅延は30秒ほどです。配信している映像を確認するより迅速なモニタリングがサムネイル画像をチェックすることで実現できるかと思います。(左上がOBS Studio、左下がMediaLiveのサムネイル画像、右が配信映像です。)
まとめ
AWS Elemental MediaLiveで入力映像に対するサムネイル画像が確認できるようになったアップデートについてお届けしました。入力されている映像を視覚的に確認することができるので、モニタリングや障害発生時の原因切り分けなどにとても役立つと思います。配信されている映像よりも少ない遅延で確認できるため、障害発生時のより迅速な対応にもつながりそうです。そういえば、AWS Elemental Linkでは同様の機能(入力している映像のサムネイル表示)があったりしたので、今回のMediaLiveの機能アップデートは待望だったかもしれませんね。
なお、ドキュメントにはAWS CLIでのサムネイル取得についても記載がありました。(Retrieving thumbnails programmatically - MediaLive)しかし、現時点(2023/07/10 2:30)ではAWS CLIを最新の2.13にアップデートしてもmedialive describe-thumbnails
コマンドが見つからず実行ができない、という状況でした。こちらも追って(AWS CLIのアップデートが追いつきしだい)確認してみたいと思います。